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木下 哲一*; 永岡 美佳; 中西 孝*
Science of the Total Environment, 753, p.142087_1 - 142087_10, 2021/01
被引用回数:4 パーセンタイル:26.95(Environmental Sciences)大気圏内核実験により放出されたPuの壊変生成物であるAmの熱帯東太平洋における水平及び垂直移動を解明するために、分布を調査した。2003年に採取した海水試料のAm濃度を測定し、既に得られているPu結果と比較した。その鉛直分布はPuと同様であったが、一部地点では、極大濃度がPuよりも100mから200m深いところで観測された。Am/Pu濃度比は、太平洋における他地点と同様の値であった。得られたAm濃度の分布は、400m以深の水塊の影響を受けており、400mから3000mの深さで北太平洋から赤道を通って南太平洋に流れる海流を裏付けていた。また、Amの鉛直分布について、Puからの壊変、懸濁粒子への吸着、沈降挙動をボックスモデルを用いて説明し、滞留時間を算出した。
海老原 健一
JAERI-Research 2005-004, 121 Pages, 2005/03
本報告書は、まず、格子ガス法及び格子ボルツマン法の二相流体モデルの二相流シミュレーションへの適用妥当性及び有用性を検討した。その結果に基づき、格子ボルツマン法の二相流体モデルであるHCZモデルを、基本的かつ重要な二相流流動様式の1つである水平層状二相流のシミュレーションへ適用した。その結果、HCZモデルの界面は、Kelvin-Helmholtz不安定性を満足することが確認された。またTaitelとDuklerの理論的流動様式線図(T-D線図)の界面成長に関する曲線が再現された。さらに、幅が狭い流路では、流れの三次元性の影響が顕著となり、T-D線図が与える以上の低密度相のみかけ流速が界面成長に必要であることが明らかとなった。次に、より複雑な界面現象を伴う液滴発生のシミュレーションを行い、Ishii-Grolmesの実験相関式を、実験データの分布範囲において、再現できることがわかった。
武田 信和; 中平 昌隆; 角舘 聡; 高橋 弘行*; 柴沼 清; 矢花 修一*; 松田 昭博*
Proceedings of 9th World Seminar on Seismic Isolation, Energy Dissipation and Active Vibration Control of Structures (CD-ROM), p.299 - 306, 2005/00
核融合実験炉であるITERは、設計地震動を越える地震に対しても十分なマージンで健全性を確保するために、積層ゴムの使用を計画している。原子力分野での利用においては、25MPaの面圧の使用経験しかなく、ITERのように10MPaに及ぶ高面圧については実績がない。したがって、高面圧の積層ゴムの設計データは十分になく、詳細な特性評価が必要である。経年変化後の耐久試験の結果から、40年の経年変化後にも積層ゴムは400サイクルまでは安全に使用できることが確証された。一方、残留変形は246サイクル目に確認され、これは、剛性のような巨視的な機械的特性が変化するよりも十分に早く残留変形が観測可能であることを意味する。したがって、定期的な目視点検によって破断の徴候を察知することで、供用中の積層ゴムの破断を予防することが可能である。
海老原 健一
筑波大学大学院システム情報工学研究科博士学位論文, 134 Pages, 2004/09
本論文では、格子法の気液モデルの有用性を検討し、さらに格子ボルツマン法気液モデル(HCZモデル)を、格子ボルツマン法の適用例が見られていない水平層状二相流の三次元シミュレーションへ適用した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)HCZモデルによってシミュレーションされる二相界面が、Kelvin-Helmholtz不安定性理論を、二次元及び三次元の場合について満足することがわかった。(2)矩形断面流路中の界面成長シミュレーションにおいて、界面成長と流動状態の関係が、理論的考察によって得られるTaitelとDuklerの流動様式線図を再現できることがわかった。(3)流路幅が異なる場合の界面成長シミュレーションによって、流路幅が狭くなった時、流れの三次元性の影響が顕著となり、界面成長に必要な低密度相の流量が、理論的流動様式線図から得られる値より大きくなることが明らかとなった。(4)界面成長より複雑な界面現象を示す液滴発生シミュレーションにおいて、液滴発生とその時の流動状態の関係が、IshiiとGrolmesによって提案された実験相関式を、ほぼ再現できることがわかった。
海老原 健一; 渡辺 正
ながれ, 23(4), p.253 - 261, 2004/08
一成分二相格子ボルツマン法を水平層状二相流における液滴発生のシミュレーションに適用した。幾つかの流動状態において、液滴が界面上からちぎれる様子が観察された。また同時に、各々の場合において、流動状態を特徴付ける無次元数を測定した。シミュレーションに対する計算格子の長さや幅の影響を調べた後、液滴発生と測定された無次元数との関係を、IshiiとGrolmesによって実験結果に基づいて提案された相関式と比較した。その結果、シミュレーション結果は、実験データと相関式と差の範囲において、相関式を再現していることがわかった。
海老原 健一; 渡辺 正
日本機械学会論文集,B, 70(694), p.1393 - 1399, 2004/06
一成分二相格子ボルツマン法によって、その幅が高さより狭い矩形断面流路内における水平層状二相流のシミュレーションを行った。3種類の異なる流路幅の場合について、二相間の界面成長を測定した。さらに二相流動を特徴付ける無次元数を測定し、それらと界面成長との関係とTaitelとDuklerによって提案された流動様式線図とを比較した。流路幅が狭くなるに従い、シミュレーションにより得られた界面の成長・非成長の境界が大きくなることがわかった。
近藤 昌也; 中村 秀夫; 安濃田 良成; 最首 貞典*; 小幡 宏幸*; 島田 ルミ*; 川村 慎一*
Proceedings of 10th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 10) (CD-ROM), 9 Pages, 2002/00
横型熱交換器を用いた静的格納容器冷却系(PCCS)が検討されている。横型熱交換器の伝熱特性評価のため、水平単一U字伝熱管を用いた実験を行った。実験の結果、伝熱管入口端付近の環状流の局所熱伝達率を既存のモデルが過小評価する傾向があることがわかった。また、同時に行った可視化実験(伝熱管の一部区間に可視窓を取り付け、高速度ビデオを用いて行った)から、環状流の液膜表面に多数の巻波が存在することを確認した。そこで、巻波が液膜を撹拌、伝熱を促進するとの仮定の下に、局所熱伝達率を巻波の時間あたりの通過頻度に対して整理したところ、両者の間には強い相関関係があることを見出し、仮定を裏付けた。さらに、この相関関係を基に、液膜の通過頻度を考慮した、水平管内環状流凝縮熱伝達率を与えるモデルを提案した。
新井 健司*; 栗田 智久*; 中丸 幹英*; 藤木 保伸*; 中村 秀夫; 近藤 昌也; 小幡 宏幸*; 島田 ルミ*; 山口 献*
Proceedings of 10th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 10) (CD-ROM), 7 Pages, 2002/00
次世代型BWR格納容器の過圧破損を防ぐ静的格納容器冷却系(PCCS)横型熱交換器の総合性能の確認を目的として、13年度から大型モデル試験を行っている。この大型モデル試験の開始に先立ち、TRACコードの3次元炉心モジュールに改造を施した多次元二相流コードを用いてPCCS熱交換器2次側のボイド率分布及び1次側の熱交換器伝熱管間の流量配分を求めた。この結果、除熱性能と圧力損失の双方で要求性能を満たすこと、膜沸騰が生じないこと、上部管束と下部管束との間からかなりの2次側冷却水の流入があること,除熱管間の流量配分が各管の除熱量に依存することなどを予測した。
中村 秀夫; 安濃田 良成; 田畑 広明*; 小幡 宏幸*; 新井 健司*; 栗田 智久*
JAERI-Conf 2000-015, p.177 - 184, 2000/11
横型熱交換器を用いた静的格納容器冷却系(PCCS)は、水平管内での非凝縮性ガスを含む凝縮伝熱流動に関する研究が少ないため、除熱性能の評価を十分行えない。そこで、横型PCCSの除熱性能評価に必要なデータを取得して凝縮伝熱モデルを作成するため、単一の水平U字管(伝熱長約8m、口径19, 32, 43mmの3体)を用いた管内凝縮の基礎伝熱試験を行う。発生する現象を予測するため、三菱による伝熱劣化の実験相関式をRELAP5/MOD3.2コードに導入し、32mm口径管でU字面が水平の場合につき、予備解析を行った。用いた相関式は条件を外挿適用しており、計算された流動様式もおおむね分離流と解析上の課題は残されたが、小さな出入口間差圧でもPCCSに要求される凝縮伝熱流動(ガス排気、凝縮水の排水を含む)を得る可能性があることが確認された。
中村 秀夫; 近藤 昌也; 浅香 英明; 安濃田 良成; 田畑 広明*; 小幡 宏幸*
Proceedings of 2nd Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-2), p.336 - 343, 2000/00
横型熱交換器を用いた静的格納容器冷却系(PCCS)の性能評価に必要なデータを得るため、単一の水平U字管を用いた管内凝縮伝熱の基礎試験を(株)日本原子力発電との研究協力で行った。口径32mm、伝熱長8mの試験体を用いた基準流動条件(圧力: 7気圧、入口蒸気流量: 1%崩壊熱出力相当、非凝縮性ガス分圧: 1%)での試験等から、高いガス分圧(20%)でも良好な除熱性能が得られることや圧力損失、排気、排水の各特性でも良好な結果を得て、横型熱交換器のPCCSへの適用性を確認した。RELAP5/MOD3コードを用いた実験後解析では、オリジナルコードが凝縮伝熱を過小評価したため、基礎伝熱試験をもとに選定した凝縮伝熱やガスによる伝熱劣化のモデル群を組み込むとともに、凝縮終了後の伝熱管内ガス停滞挙動を表現するノード法の考案等で、実験を良好に予測するコード改良ができた。今後、計画中の多次元流動に着目した大型モデル試験の解析を行うとともに、実機での各種過渡におけるPCCS挙動を予測・評価する。
中村 秀夫; 近藤 昌也; 久木田 豊*
NUREG/CP-0160, p.661 - 675, 1998/09
超音波流速分布計測器は、トランスデューサから超音波パルスを連続的に発振し、液相と共に流動する反射体からの反射波とのドプラー信号を用い、液相の流速分布を計測する。ところが自由界面を有する水平層状流や波状流では、気液界面で超音波パルスが全反射するため、界面と流路底間での多重反射波が流速の計測を困難にしていた。今回、超音波吸収体の設置、長い計測インターバルの採用、データのビット処理を行う等の工夫により、これらの流れでの2次元的流速分布と、更に水面形状の動的な同時計測に成功した。層状流の流速分布は、同時に行った流れの可視化ビデオ画像を用いた粒子追跡法(PTV)の結果と良く一致すると共に、波状流の流速分布は、理論値と良く一致する結果が得られた。水面形状は、平行線電極を用いた水位計測の結果と良く一致した。
久保 真治; 秋野 詔夫; 田中 周*; 長島 昭*
日本機械学会論文集,B, 64(625), p.3013 - 3020, 1998/09
大きな融解凝固潜熱を有する相変化物質をマイクロカプセル化した物質(MCPCM)を低粘性の搬送流体中に分散しスラリー状にする(MCPCMスラリー)ことによって、常時流動性を維持させ、かつ、大きな熱量を保持する熱媒体を試作した。この熱媒体を容器内に注入し、水平円柱を用いて加熱して自然対流熱伝達実験を行った。その結果、純水と比較したMCPCMスラリー(純水にMCPCMを低濃度:5%添加)の熱伝達率は、相変化が生じる条件レベルでは、数十%程度増加したが、相変化が生じない条件では減少した。純水にMCPCMを添加する効果による熱伝達率の増加率は、MCPCM濃度を上げるに従って増加し、また、境膜温度差を小さくするに従って増加した。
久保 真治; 秋野 詔夫; 田中 周*; 亀岡 利行*; 岡田 裕紀*
日本機械学会論文集,B, 64(623), p.336 - 344, 1998/07
我々の開発した新しい熱媒体である、マイクロカプセル化相変化物質スラリー(MCPCMスラリー)を用いた自然対流熱伝達実験を行う準備のため、容器内に温度成層と循環流等がある場合の加熱体の熱伝達特性を測定した。加熱体は水平円柱であり、容器内に一本、あるいは垂直に二本並べて設置した。作動流体にはシリコンオイルと純水を用いた。熱伝達率を評価する際に、代表周囲流体温度の測定位置(深さ)の熱伝達整理式への影響を調べた。循環流や加熱体の熱的干渉が小さい場合には、容器内に温度成層があっても適当な代表流体温度を選べば、従来の無限空間における自然対流熱伝達の整理式を適用できた。それらが大きい場合には、現象に対して自然対流熱伝達の整理式を適用することは難しかった。
中村 秀夫; 近藤 昌也; 久木田 豊*
Nucl. Eng. Des., 184(2-3), p.339 - 348, 1998/00
被引用回数:7 パーセンタイル:53.73(Nuclear Science & Technology)超音速流速分布計測器は、トランスデューサから超音波パルスを連続的に発振し、液相と共に流動する反射体からの反射波とのドプラー信号を用い、液相の流速分布を計測する。ところが自由界面を有する水平層状流や波状流では、気液界面で超音波パルスが全反射するため、界面と流路底間での多重反射波が流速の計測を困難にしていた。今回、超音波吸収体の設置、長い計測インターバルの採用、データのビット処理を行う等の工夫により、これらの流れでの2次元的流速分布と、更に水面形状の動的な同時計測に成功した。層状流の流速分布は、同時に行った流れの可視化ビデオ画像を用いた粒子追跡法(PTV)の結果と良く一致すると共に、波状流の流速分布は、理論値と良く一致する結果が得られた。水面形状は、平行線電極を用いた水位計測の結果と良く一致した。
中村 秀夫; 近藤 昌也; 伊藤 高啓*; 辻 義之*; 久木田 豊*
Bulletin of the Research Laboratory for Nuclear Reactors, (SPECIAL ISSUE 2), p.35 - 46, 1997/00
超音波流速分布計測器(UVP)は、トランスデューサから超音波パルスを周期的に発振し、液相に混入したトレーサからの反射波とのドプラー信号から、液相の流速分布を計測する。本UVPを用いて、水平開水路の波状流での界面波形と液相流速分布の同時計測、並びに円管内に設置した小円筒後流に生じる渦列の特性の計測を試みた。水平波状流では、超音波が水面で全反射して界面・流路底間での多重反射を生じ、計測が困難であったが、超音波吸収体の設置等の工夫で、2次元的流速分布と水面形状の同時計測に成功した。円管内小円筒の後流に生じる渦列の計測では、低レイノルズ流で、渦周期の計測と共に、渦強度の減衰挙動を平均流速分布から捉えることに成功した。これらの計測結果をまとめる。
亀岡 利行*; 岡田 裕紀*; 久保 真治; 秋野 詔夫; 田中 周*; 高瀬 和之
可視化情報学会誌, 18(68), p.1 - 8, 1997/00
容器内に水平に設置した二本の加熱円柱の自然対流実験を行った。二本の円柱の配置に、水平に並べた状態よりズレを与えて、下円柱から立ち上がるサーマルプリュームが上円柱の熱伝導に影響する効果を調べた。感温液晶法による温度分布の可視化と、熱電対等を用いた測定の併用により、以下のことが明らかとなった。上円柱の熱伝達率は、特異に増減することがあり、これは下円柱からのプリュームが上円柱を横切ったり、接近したりすることと対応していた。上円柱の境界層が下円柱のプリュームと干渉して、その熱伝達率が促進するか劣化するかは二本の円柱の位置のズレの大きさと関係していた。
伊藤 和宏*; 辻 義之*; 玉置 昌義*; 中村 秀夫; 近藤 昌也; 久木田 豊
日本原子力学会誌, 39(8), p.669 - 680, 1997/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)水平水-空気波状流における気液界面せん断応力を実験的に評価した。実験では、高さ0.7m、長さ12mの矩形ダクトにおいて水の見かけ流速を0.3m/s一定とし、空気の見かけ流速を4.2~6.8m/sに変化させた。水面にh界面波が生じ、その振幅は空気流量又は入口からの距離と共に増加した。プレストン管法を用いて測定した気相部壁面摩擦係数は、この界面波の影響によって滑面に対するBlasius式の予測値と異なったが、その差は30%であった。気液界面せん断応力は、壁面せん断応力、圧力勾配、水位及び水位勾配の各計測値を気相の運動量式に代入することで評価した。その結果、気液界面せん断応力は界面波の振幅と共に増加し、気液界面摩擦係数のBlasius式の予測値との比は4~10であった。この比は空気の見かけ流速と入口からの距離に比例して増加した。
浅香 英明; 久木田 豊
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(9), p.696 - 702, 1996/09
被引用回数:2 パーセンタイル:24.71(Nuclear Science & Technology)加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材喪失事故(LOCA)時におけるホットレグ内の流れは、重力により水と蒸気が分離した水平層状二相流で特徴づけられる。ここではホットレグ水位は、蒸気発生器(SG)内ないしは加圧器内への蒸気による水のキャリオーバー量に影響する重要なパラメータである。小破断LOCA時のホットレグ内層状二相流は、水流量が増加するにしたがい常流から射流に遷移し、これに起因する典型的な水位低下の生じることがLSTF実験により示された。Gardnerは、ホットレグ入口前後で各相のエネルギーが保存されると仮定し、常流から射流への遷移モデルを開発した。しかし、このモデルによる予測結果とLSTF実験結果との一致は、定量的に不十分であった。筆者らは、Gardnerのモデルにホットレグ入口の形状エネルギー損失項をとりいれた改良モデルを開発した。この改良モデルは、LSTF実験で見られたホットレグ内の常流から射流への遷移条件を良く予測した。さらに射流条件下の水位は、ホットレグ内における運動量保存則で予測できることを明らかにした。
坂元 美定*; 功刀 資彰; 一宮 浩一*
Album of Visualization,No. 13, 0, p.19 - 20, 1996/00
筆者らは、これまでの水平等温加熱管内における複合対流場の研究において、浮力の影響が強い場合に加熱部入口近傍の温度助走域で上流方向への逆流の発生を見出している。この逆流現象の3次元的な流れ構造および温度分布を3次元数値解析と実験により可視化し、両者の良い一致を得た。なお本例の熱流動条件は、作動流体に水を用い、Re=105、Gr=3.2310である。本報告は、数値解析による流線と実験による可視化写真とを組み合わせて示したものである。
丸山 結; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 中村 尚彦*; 日高 昭秀; 杉本 純
Transactions of the American Nuclear Society, 75, p.273 - 274, 1996/00
軽水炉のシビアアクシデント時には、原子炉冷却系配管内におけるエアロゾルの沈着挙動が、ソースターム及び配管の構造健全性に多大な影響を及ぼす。原研では、水平直管内におけるCsIエアロゾルの沈着特性を明らかにするために、配管信頼性実証試験(WIND)計画の中でエアロゾル沈着試験を実施している。長さ2m、内径約10cmの配管を用いて、これまでに3回の試験を実施した。試験の結果から、配管内を流れる気体の流動状態がエアロゾル沈着特性に強く影響することが明らかとなった。流れの状態が層流で、気体温度が配管壁温度を上回る場合には、熱泳動により配管天井部により多くのエアロゾルが沈着すること、一方乱流の場合には、気体の十分な混合により、ほぼ均一に沈着するという結果が得られた。